第20回
第5章 徳孤ならず その3
田熊氏の半生は、全く悲劇の連続であった。事業の失敗の為一家は離散し、一度は債鬼を逃れるるために朝鮮に逃れ、大陸に渡り、途中思案にあまって月明の玄海灘へ身を投じようとさえした。
しかし、天は彼を見捨てなかった。海に映った月の光を見て何ともいえぬ霊感にうたれ、『失敗して逃げるようでは駄目だ。失敗の中に猛然と立ち上がって、突進するところに成功がある。』という悟りを見出した。
この木村秀蔵伝記は、2023年3月17日からアマゾンから書籍とキンドル版で発売されます。今後はそちらでご覧ください 東京都 矢竹考司