第13回 第3章 坂越工場の建設 その4 彼を激励する声が彼の耳に聞こえてきた。 『世の発明家はみなこの苦しみを経験してきたのだ。いやこんなことではない。発明の為には一家離散さえしてしまった者もあるではないか。私などの苦しみはまだなんでもない』 彼…
第12回 第3章 坂越工場の建設 その3 工場が出来てからも裏山には狐や狸がいたという話は、元監査役工場長原文次郎氏から私は直接伺った。その頃の坂越の里の淋しさは、想像以上であったろう。 塩の専売で漁村はさびれ、廃船はいたずら渚に捨てられていた。…
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