アース製薬創業者『木村秀蔵翁伝記』ブログ版第7回

 第7回

 

第2章 孤軍奮闘時代 その2

 其の頃難波工場に於いては、専ら局方並びに化学用白塩酸、硝酸、舎利塩、硫酸等が製造されていた。

 しかし人生の行路はつねに平坦ではなかった。二人の努力は小さいながらも一工場の形態を備えて経営を続行していたが、その営業は一張一弛、実に遅々たる歩みであった。

 しかも一番の苦痛は資本の不足であった。大資本との競争は事毎に不利であった。勿論、得意先に話せば多少の資金の融通は出来たであろうが、秀蔵としては、それも潔しとしなかった。

 

これは手引き車の上に据えつけられた蓄音機のような機械が、車が動くと共に自動的に回転してレコードが鳴る仕掛になっている。当時としては全く破天荒な企画であった。

 

この木村秀蔵伝記は、2023年3月17日からアマゾンから書籍とキンドル版で発売されます。今後はそちらでご覧ください (企画 東京都 矢竹考司)