17回
第4章 試練に耐えて その4
人の和の力こそ、大いなる成功の要素である。 完成を、神に感謝する秀蔵にもまして喜んだのは,小林富次郎氏であった。
秀蔵の熱意に動かされ,炭酸マグネシヤの製造を依頼したものの、幾度か失敗を繰り返す秀蔵を、小林氏は全く気の毒で見ていられなかった。
いそいそと、新しい製品を試験の為に持って上京される姿!
そして、失望と落胆とに悄然として帰って行く後姿。しかし、秀蔵は何時でも自棄に陥るようなことはなかった。
『今度こそ、今度こそ』
彼は帰りの汽車の中では、もう次の創意工夫をこらしていたのだ
大正10年開通した、赤穂鉄道時代の坂越駅
この木村秀蔵伝記は、2023年3月17日からアマゾンから書籍とキンドル版で発売されます。今後はそちらでご覧ください (企画 東京都 矢竹考司)